皆さんは、冬の現場での冷え・寒さ対策はどのようにされているでしょうか?
体が冷えると筋肉が硬直して思うように体が動かず仕事に支障をきたすばかりか、事故の原因にもなりかねません。
とは言え、防寒を重視し過ぎて、重ね着を繰り返し雪だるまのようになってしまうと本末転倒です。動きづらいことこの上なく、通気性が悪いと汗冷えをしてしまいます。防寒と動きやすさ・快適さのバランスが、冬の現場での死活問題と言えるでしょう。
そこで今回は「防寒対策」を実際に現場で働いている方にアンケートを取りました。すると、現場での防寒対策で興味深い事実が見えてきました!ぜひ現場で働く方の意見と編集部の見解をご参考にしてください。
目次
万全の防寒の一歩目はインナーウェアにあり!

まずは防寒対策でもっとも重要視したいのは、インナーウェア。上半身はもちろん下半身もタイツ等で防寒対策をすることができます。保温性の高いインナーウェアを着用することで、暑くなったときにはアウターを脱ぐ等で調整もしやすくなります。
ユニクロの「ヒートテック」シリーズは定番ですが、スポーツブランド、アウトドアブランド、ワークウェアブランドからも様々な種類のインナーが発売されています。
「ヒートテック」は「極暖」「超極暖」が人気!
【価格】1,620円(税込)
【素材】58%アクリル/25%レーヨン/13%ポリエステル/4%ポリウレタンHEAT TECH ULTRA WARM/超極暖ヒートテック
【価格】2,149円(税込)
【素材】47%アクリル/26%ポリエステル/20%レーヨン/7%ポリウレタン
【URL】https://www.uniqlo.com/jp/store/feature/uq/heattech/men/
「冬のインナーのほとんどがユニクロの極暖ヒートテックです。長袖Tシャツだけじゃなくて、タイツ、靴下もあるので、まずは全身をヒートテックで装備するのが冬の基本になります」
(交通整備/30歳/神奈川県)
「下半身・上半身ともにヒートテックを着用して、特に寒いと感じる腰と背中にはカイロを貼って対応しています。毎年、冬はヒートテックの買い替えがメインになっています」
(ダクト工/30歳/滋賀県)
「極暖ヒートテック」は裏起毛されており、通常のヒートテックより“約1.5倍暖かい”を実現。9分袖の商品(クルーネック/Vネック/タートルの3種類)とタイツがあり、お手頃な価格も人気を後押ししています。
「超極暖ヒートテック」は、「極暖ヒートテック」の生地をさらに厚くしたもの。9分袖(クルーネック)とタイツが展開されています。「ヒートテック」シリーズは、ストレッチ素材なので動きやすさもバッチリ。さらに上半身だけではなく、全身をヒートテックで揃えることができるのは大きな強みとなっています。
追随するのは現場の味方、WORKMANの商品!

【価格】1,900円(税込み)
【素材】(表)綿50%/レーヨン50%(中わた)ポリエステル100%(裏)ポリプロピレン50%/ポリエステル50%
【URL】http://store.workman.co.jp/item/item.html?i=2234
「WORKMANの定番は990円から購入できる『ヒートアシスト』シリーズですが、WORKMANのインナーウェアでもっとも暖かいのは『キルトレイヤー』じゃないでしょうか。肌触りも良く、着心地も最高です」
(左官業/28歳/埼玉県)
現場の心強い味方であるWORKAMNのインナーウェアは、防寒でも高パフォーマンスを発揮。その中でもおすすめしたいのが、キルトレイヤーです。外気をシャットダウンする表地にたっぷりの中綿、裏地にポリプロピレンを使用した三段構造となっており、保温性に優れたインナーウェアを実現。肌触りも良く、吸水性も高いので着心地も抜群。タイツも発売されているので、特に寒い日は上下で着用して、現場に臨みたいですね。
アウトドア・スポーツブランドのインナーウェアもおすすめ!

価格】1,340円(税込)
【素材】ポリエステル91%/ポリウレタン9%
【URL】https://www.himaraya.co.jp/front/commodity/0000/0000000585218/
「今年はビジョンクエストの『温 The Body』を購入しようと思っています。スポーツブランドの防寒インナーウェアですが、ヒートテックとさほど変わらない価格なので気になっています」
(製造業/52歳/新潟県)
ビジョンクエストは、スポーツ用品チェーンのHIMAYARAが展開する自社ブランド。東レ株式会社の高機能素材を使用したオリジナルのヒートインナー「温 The Body HEAT DRIVE」は、高い吸水速乾性と保温性を実現したスポーツ用アンダーウェアです。汗冷えを防ぐこともでき、高い伸縮性を誇るので重宝しそうです。カラーバリエーションも豊富なので、数枚常備するのも良いかもしれません。
◎編集部が検証したおすすめインナーはこちら!
【おすすめ防寒インナーまとめ】ケンセツプラス編集部が選んだヒートインナーランキング
インナーウェアを選ぶポイント
価格、素材、機能など判断基準がありますが、どの商品でも気をつけたいポイントはサイズ。フィット感は大切ですが、体を締め付けすぎると逆に血行が悪くなり、冷えのもとになってしまいます。素材によって伸縮性にも差がありますので、よく吟味してください。
職人の命!手・指先の防寒に効果的な手袋や対策は?

手・指先は職人の命。現場では防護の役割を果たす手袋・軍手は1年を通して欠かせません。さらに気温が低くなる秋〜冬には、防寒の機能が必須です。また重い物を運ぶことが多い現場では、グリップ力も重視したいところ。
しかし、手袋はもっとも消費する道具のひとつでもあります。消耗品と割り切って安価なものを使用するか、高価で高機能なものをセレクトするかも意見が分かれるところ。皆さんはどのような商品を使っていますか?
保温性とグリップ力を重視するなら特殊ゴム仕様の手袋がおすすめ

【価格】780円(税込)
【素材】防水/裏起毛
【価格】※取扱店舗によって価格に差がございます。
【素材】透湿性/防水/裏起毛
「倉庫作業をしているので、保温性はもちろんフィット感やグリップ力、滑り止めを兼ね備えたものを使っています。『防寒テムレス』は少し高めですが、丈夫なのでこれ1つでひと冬は十分持ちますね。不満は、しっかりと手にフィットしている分だけ、スマホを使用する際に着脱が少し面倒なくらい(笑)」
(倉庫作業/36歳/東京都)
裏起毛と防水は特殊コーティングが施された手袋は、冬の現場で大きな力を発揮してくれます。手首にフィットするので隙間から風が入りませんし、商品によっては手袋内の湿気も緩和してくれるので、作業中も快適さをキープ。価格以上の働きを期待することができます。
コスパ最強!冬用軍手もあなどれない!

冬用の軍手は「10双:1000円」程度の価格で購入できるものもあり、経済的な点を重視する人には高い支持を獲得しています。中でも滑り止め付き、裏起毛になっている商品は、コストパフォーマンスは高くなっています。人気があった軍手は、下記のアイテムになります。
●おたふく手袋 防寒スベリ止軍手
●TRUSCO WARMすべり止め付裏起毛軍手
●高田商事 裏起毛防寒グローブ すべり止め付
他にはこんな意見をいただきました!
「職業上、どうしても指先の感覚を大事にしているので、指なし手袋をして、手の甲にカイロを貼っています」
(電気工事士/33歳/岡山県)
指なし手袋だとスマホが扱いやすく、細かい作業への支障もなくなります。逆に防寒用や裏起毛仕様になると、多少はかさばってしまいます。軍手・手袋のバリエーションは選びきれないほど豊富ですが、それぞれに利点があります。ぜひ皆さんの意見を参考にしてみてください。
◎作業用手袋に関する記事はこちら!
【現場で働く職人3人に聞く!】俺たちが選ぶ作業用手袋
下半身は、靴下の重ね履きやカイロで寒さに対抗!

下半身の防寒もインナーウェアが基本となります。多くのヒートインナーでは、タイツがセットで売っているので、下半身の冷えが気になる方はまずはこちらで備えるといいでしょう。その上で、皆さんはこのような対策をされているようです。
足先は靴下の重ね履きをしている人が多数。カイロの活用も
「ヒートテックの長袖シャツとタイツを着用して、靴下もヒートテックですね。気温が低い日は靴下を二重で履きます」
(資材管理/42歳/東京都)
「ヒートテックの靴下を重ね履きします。それでも寒い場合は、足用のカイロを貼って対策しています」
(交通整備/30歳/神奈川県)
ここでもヒートテックの人気が際立ちます。しかし、靴下の重ね履きで注意したいのは、締め付けです。靴下を重ね履きすると靴がきつくなりますので、薄手の生地を選ぶとよいでしょう。また蒸れて臭いが……なんてポイントにも気を配れていると現場男子の鏡ですね。
アウトドアブランドのメリノウール製靴下もおすすめ!
重ね履きによる締め付けや蒸れや臭いが気になる方におすすめしたいのは、アウトドアブランドの最高級の羊毛であるメリノウール製の靴下です。価格は他の商品と比較すると高めですが、とにかく暖かく、丈夫で、吸湿性に優れているので、蒸れにくいです。靴下以外にアンダーウェアも発売されており、デザイン性に優れているので、こだわりたい方におすすめです。
下半身の防寒はここまで対策できればバッチリ!
ヒートインナーのタイツを着用すれば、オールシーズンの作業着でも下半身の防寒になりますが、それでも気温が低い日は不安……という方は、下記のような対策がおすすめです。
●防寒防風パンツを着用する
●冷えやすい特定の部位にカイロを貼る
●レッグウォーマー・足カバーを着用する
WORKMANの「ヒートアシスト」シリーズの防寒防風パンツは、1,900円(税込)から購入できます。またスポーツブランド、アウトドアブランドの商品も求めやすい価格のものがありますので、風が強い日などのために一着持っておくと便利でしょう。また特定の部位が冷えやすい方は貼るカイロがおすすめです。また足首はウールのレッグウォーマーなどで対策しましょう。
上半身の防寒に特別なアウターは不要!?大事なのはアウターとインナーの間!

「会社支給の作業着とアノラックを着ています。ヒートインナーの上に、セーターやフリースを着て、腰と背中にカイロを3〜4個貼っています」
(商品アソート作業/岡山県/50歳)
「職業柄、天井裏に潜ることが多いのでかさばる服装はNGです。ヒートインナーと現場用のダウンベストを着ています。動きやすさを重視しています」
(ダクト工/滋賀県/30歳)
上半身の防寒対策として多かったのは重ね着。作業用のアウターは特別に用意せずに、中に着込むという意見が多くなっていました。理由としては、インナーや靴下などとは異なり費用も高くなること。そして、現場では汚れやすくや傷つきやすいので高価なものはそぐわないなどが考えられます。
使い慣れた作業着の下に防寒対策することで、かさばりを防止でき、仕事の効率を下げずにすみます。できるだけコンパクトに防寒をする方法がしっかりと確立されていることがわかります。
となると、大事なのはインナーとアウターの間。フリース素材は動きやすく保温性に優れていること。そして、ニットやセーターと比較してほつれにくい丈夫な素材であるため、支持が高くなっていました。
さすがはものつくりの達人!こんなDIYの防寒対策を教えていただきました!
「自分でニット帽とネックウォーマーを縫い付けて首元から風が入らないように対策をしています。さらに布でポケットをつけてカイロを入れています。とても暖かいのでおすすめです。手間はかかりますが(笑)」
(資材管理/42歳/東京都)
とても手の込んだ防寒対策ですね!首から上の防寒具は、フェイスマスクやヘルメット用の防寒タレなどがありますが、冷える部分は人それぞれ。「かゆいところに手が届く」商品が多いですが、もし見つからない場合は、職人魂を活かして(?)、自分で作ってみるのもいいかもしれません。
動きやすさと防寒はバランスが大切
防寒、機能性、動きやすさのバランスで作業効率は大きく変わります。いまではWORKAMANなどの専門店の他、ユニクロやスポーツブランド、アウトドアブランドなどで多種多様なアイテムを手に入れることができます。日によって気温や作業環境は変わるので、調節が難しい防寒対策ですが、「備えあれば憂いなし」。手段を知ることで対策を練ることができるので、今回の意見を参考にしてみてください。
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