覚えてしまえば実はカンタン!?「作業員名簿」作成ガイド

建設業といえば現場の仕事と思われがちですが、いざ現場スタッフが作業に入るためには、その裏側では煩雑なデスク作業が不可欠です。特に、工事の前に準備する安全書類(グリーンファイル)は作成すべき書類の種類もたくさんあり、かなり面倒な作業。

ここでは、安全書類のひとつである「作業員名簿」作成のノウハウをお教えします。初めて作業員名簿を作ることになった人には、よくわからない部分も多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてください!

作業員名簿とは?

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作業員名簿は、現場で作業にあたる人員をすべて明らかにし、その雇用管理状況を把握するために必要な書類です。一次下請以下の協力会社はそれぞれ作成する必要があります。

書類のフォーマットは、一般社団法人全国建設業協会によりまとめられた全建統一様式が基本です。しかし、全建統一様式と言っても、過去に作られた「全建統一様式2号」と新しい「全建統一様式5号」がどちらも使われている状態なので、初めての人はまずこの書式選びで混乱してしまいます。

さらに、提出する元請の建設会社によって、それぞれが独自に最適化したフォーマット(様式)を使っている場合が多く、厳密には統一が図れていないのが現状です。元請の指定するフォーマットを使わなければいけないこともあるので、作成する書類のフォーマット(様式)は事前に確認しておくことから始めましょう。

作業員名簿に記載する内容~概要編~

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作業員名簿に記載する内容のひとつひとつはそれほど難しいものではなく、要は工事に参加する作業員の身元を明らかにするものです。

新しい「全建統一様式5号」に基づいてそれぞれの項目を列記すると

  • 氏名
  • 職種
  • ※(特記事項)
  • 雇入年月日
  • 経験年数
  • 生年月日
  • 住所
  • 緊急連絡先
  • 最近の健康診断日
  • 血液型
  • 特殊健康診断日
  • 保険加入状況
  • 教育・資格・免許
  • 送り出し教育実施年月日
  • 受入教育実施年月日

が主なものになります。フォーマット(様式)を提供している会社によって追加項目など微妙に異なりますが、これらが基本項目となるので覚えておきましょう。

基本的には全て埋めて提出すべき項目ですが、不明な点がある場合もあると思います。但し、住所の欄が空欄になっていると、住所のない人を雇っているという解釈をされますし、保険の欄が空欄であれば、保険に入っていない人と元請会社側に解釈されてしまいます。その為、項目は埋めてから提出しましょう。

不備があれば、受け取った元請会社から作成の直しを言い渡されることもあります。会社の信用にかかわる部分でもあるので、しっかり記入しておきましょう。

作業員名簿に記載する内容~詳細編~

ここでは、記載について迷いやすい項目について、それぞれ説明していきます。

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【※(特記事項)】

※印しか書いてない欄は、初めて見たときは何を書いていいのか全く想像がつかないかもしれません。ここには、その作業員の役職や属性について記号で記載します。記号の意味は基本的に作業員名簿のフォーマットの下部に書かれているので、まずはそこを確認しましょう。例を挙げると、現場代理人には(現)や、主任技術者の場合は(技)、18歳未満の場合は(未)と言った具合です。これらは併記することもあります。

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【雇入年月日と経験年数】

雇入年月日の欄には、その人が会社と雇用契約を結んだ年月日つまり入社年月日を書きます。また、同じ場所に経験年数の欄もありますが、ここはその人が現在担当している仕事の経験年数を記入します。年数は雇用形態とは全く関係ありません。アルバイトとしての経験、個人事業主としての経験など、その仕事を経験した全ての年数の合計を記入してください。

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【健康診断日】

最近受けた一般健康診断日と血圧、特殊健康診断を受けた日とその種類を書く欄があります。一般健康診断日と血圧に関しては迷うことはないと思いますが、特殊健康診断は少し迷うかもしれません。

特殊健康診断とは、特定の有害業務に従事する作業者の場合、一般健康診断とは違う部分に異常が出る可能性がある為、そういった有害業務に従事する作業員は、雇入時、配置替え時及び定期的に特別項目の健康診断を受ける必要があります。

例を挙げると、粉じん作業に従事する人がじん肺健康診断を受ける場合や、鉛業務に従事する人が鉛健康診断を受けるといったことが特殊健康診断にあたり、種類の欄にはじん肺や鉛と書きます。

ここは有害業務に従事する作業員のみが該当するので、空欄の場合もありえるでしょう。

尚、一般健康診断についても、有害業務従事者は6か月毎に一回受診する必要があります。有害業務の詳細については安全衛生法施工令第22条の業務が該当しますので、一度内容を確認しておくようにしましょう。

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【保険加入状況】

保険加入状況の欄には、健康保険や年金保険、雇用保険の3種類に関して加入しているものの種類と被保険者番号の下4桁(番号が4桁以下の場合は該当する番号)を記入します。後期高齢者などで、健康保険に加入していない場合や年金を受給している場合は、「適用除外」や「受給者」と書きましょう。年金保険の場合は保険番号を記入する必要はないので、はじめからその欄が削除されているか斜線が引かれている場合もあります。

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【送り出し教育実施年月日】

送り出し教育実施年月日の欄は、新たに「全建統一様式5号」で追加された項目です。「送り出し教育」は、作業者が新しい現場に入る前にその作業現場の環境やルールを現場に「送り出す前」に把握させ、「知らなかった」・「聞いていなかった」などから起こる事故・災害を防止し、安全に作業を行うための教育です。これは、労働安全衛生法第59条2項に基づくものですからしっかりと行い、実施した年月日を記載しましょう。

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【受入教育実施年月日】

受入教育実施年月日の欄には、当該教育を実施した年月日を記入します。この教育は新たに建設現場で作業することになる下請業者の労働者に対し、工事の概要、現場の状況、現場における安全性について教育するもので、元請業者が実施します。ですから、実施年月日を元請け業者の担当者に確認する必要があります。

人員追加による再提出の際には、以前提出したものに記載されていた作業員の名前は省略可能

名簿に記載されていない新たな人員を配置する場合、作業員名簿は作り直して再提出しなければいけません。しかし、以前に提出した際に記載されていた作業員の名前は、省略可能です。追加になった人員の分だけを記載し、残りの作業員は「以下略」と書いておけば問題ありません。毎回、書類作成に大変な時間を取られる心配はありません。

記載内容を証明する書類も一緒に提出すること

作業員名簿は、名簿のみ提出すれば良いわけではありません。記載内容を証明する書類も一緒に提出しなければいけません。例えば、資格証明書や免許などは免許や資格証のコピーを併せて提出する必要があります。そのほか、18歳未満の者を作業員に充てる場合は年齢証明書(住民票記載事項証明書)も添付しましょう。保険加入状況を別紙で出す場合は、それも忘れないようにしてください。添付書類については、提出する元請会社によって必要な書類が異なりますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

普段から作業員の情報を管理しておくのが重要。効率のよい書類作成を

元請会社によってフォーマット(様式)が違っていたとしても、作業員名簿に記載する内容はほとんど同じです。また、工事が変わっても作業に従事する人の情報は毎回変わるものではありません。その為、自社で作業員名簿用のリストを作って作業員の情報を管理しておくと、2回目からは楽な作業になるかもしれません。自分がやりやすい方法で、効率よく書類作成を進めていきましょう。

◎そのほかの労務安全書類(グリーンファイル)作成方法はこちら
ケンセツプラスの「安全書類の書き方」シリーズ

◎労務安全書類(グリーンファイル)の電子による作成ツールはこちら
⇒ 「グリーンサイト」http://www.kensetsu-site.com/service/green.html

 

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