建設業に従事する方に、安心して働ける環境を提供してくれる労災互助会の労災上積み補償。しかし、「仕組みがよくわからない」と苦手意識を持つ方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「全国建設業労災互助会」の方々にご協力頂き、前編・後編にわたって労災保険の基本や仕組みについての情報をお届けしています。お話し頂いたのは、常務理事の迎哲郎さん(写真中央)、業務係長の鈴木圭子さん(写真左)、長島麻衣子さん(写真右)の3名。
後編では、第三者賠償補償制度、そして建築・土木・組立補償制度について触れていきます。
第三者に損害を与えたケースを補償する「第三者賠償補償制度」

―前編では、政府労災保険と労災上積み保険について教えて頂きました。今回はまず、第三者賠償補償制度についてお話し頂ければと思います。
長島:第三者賠償補償制度(以下、第三者賠償)は、工事遂行中または引き渡し後に生じた偶然の事故によって他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした場合に法律上の賠償責任を負担することによって被る損害を補償します。
先般、ニュースにもなりましたが、工事現場で資材(パイプ)を落下させてしまい通行人を死亡させた事故がありましたね。このような賠償のリスクに備えるものです。
迎:加えて、引き渡し後に発生した偶然な事故によりおきた、物や人への損害も第三者賠償で補償されます。
―非常に勉強になります。もっと詳しく伺いたいのですが、互助会の提供する第三者賠償補償制度の強みはどのようなものがありますか?
鈴木:掛け金が非常に安いことが挙げられます。お陰様で当会は会員数1万人を超える規模になりました。多くの方にご利用いただくことによりこのような安い掛け金を維持できています。
工事の目的物を補償する「建築・土木・組立工事補償制度」

―最後は、建築・土木・組立工事補償制度について教えていただければと思います!
迎:これまでにご説明した2つの補償制度をおさらいすると、労災上積みは従業員等に対する補償、第三者賠償補償制度は他者(物)への賠償に備える補償でした。これからご説明する建築・土木・組立補償制度は、工事の目的物。つまり、工事によって建築や設置、取り付けなどを行う「その物」に対する補償です。
例えば、台風や水災などの自然災害によって建設中の建物に生じた損害などを補償します。よくある例だと、現場でよく見かける「工事中」と書かれた看板や資材などが風で飛ばされたり洪水で流されたりというケースも該当します。他には、現場で起こった火災や爆発、施工ミスによる事故、盗難などもそうです。
この制度は、当団体の三制度の中でも一番新しいものですが、毎月コンスタントに加入者は増え続けています。それだけニーズがあるということでしょうね。
若い世代が憧れる建設業界を目指して。安心して働ける土台づくりを

迎:私たちがこういった労災上積み補償制度を提供しているのは、「建設業界をより良いものにしたい」という思いがあるからです。建設業界は事故の発生率が高いですから、補償制度に加入することは、安心して働ける土台づくりに繋がってきます。
鈴木:建設業界が若い世代にとって魅力的なものになっていくためにも、誰もが安心して働ける環境づくりへのお役に立てれば幸いです。
家やマンションが建ったり、道路が綺麗に舗装されたり。建設という仕事があるからこそ、世の中に便利なものがたくさん生まれていきます。本来、建設業はとても夢のある業界です。だからこそ、安心して働ける環境を実現していきたいですね。
労災保険や労災上積み補償への正しい理解と加入が、より良い労働環境を実現する
より働きやすい現場を実現するため、魅力的な労災上積み補償制度を提供し続けている全国建設業労災互助会。同会を運営する方々の瞳は、建設業界の未来を見据えていました。
労災保険をより理解する事が、労働環境の改善に繋がり、ひいては業界全体の活性化にも結びついてきます。あなたも今一度、その重要さを見直してみませんか?
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