【工事現場向け】ガンコな年上部下をマネジメントする8つのコツ

様々な職能や年齢の職人さんが集まる工事現場。その現場を統括する現場監督は、年上の職人さんをマネジメントする機会も多いと思います。年上というだけでも気を使うのに、職人さんの中にはこだわりが強い方も多く、なかなか言うことを聞いてくれないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、コミュニケーションやストレスケア講座の講師として働く古橋輝一(ふるはしきいち)さんの監修のもと、マネジメントの基本や年上部下のマネジメント方法を教えてもらいました。

古橋さんは、企業や個人事業主に向けて心理学のメソッドをもとに講座を開き、受講生の人数は1,000名以上。建築業界のクライアントに向けた講座経験もあるそうです。

年上上司に気持ち良く働いてもらい、現場の人間関係を上手に回すために、この記事からマネジメントの方法を学んでみませんか?

■ マネジメント初心者のための4つの基本

部下をマネジメントする基本

年上の職人さんのマネジメント方法を解説する前に、まずはマネジメントの基本として以下の4つを知りましょう。

1.「何を伝えるか」よりも「どのように伝えるか」
2.まずは自分をマネジメントする
3.部下がなにを求めているのか観察する
4.現場にストレスを蔓延させない

それぞれどのようなことをすれば良いのか解説していきます。

1.「何を伝えるか」よりも「どのように伝えるか」

人の性格は一人ひとり異なり、性格が違えばコミュニケーションの取り方も異なります。たとえば事細かな説明を求める人もいれば、結論だけを端的に言ってくれれば十分だという人もいるでしょう。

あなたが伝えたと思ったことも相手の耳にしっかりと届いてるとは限りません。マネジメントをする方は「何を伝える」かも重要ですが、それよりも重要なのは相手の性格に合わせて「どのようにそれを伝えていくのか」が大切なのです。

部下に「いつも言ってるよね?」「どうしてわからないの?」とこぼしてしまう時は、もしかしたらあなたの「伝え方」が間違っているかも。その時は相手の性格を知り、そこに合わせたコミュニケーションを心がけてみましょう。

2.まずは自分をマネジメントする

部下には常にやる気でいてほしいものですが、人をやる気にさせる前にまずは自分の心身の状態を良い状態に保ってみましょう。というのも、メンバーは常にあなたを観察しているからです。

マネジメントするあなた自身がイライラしていたり疲れていれば、その影響を受けて職場のメンバーもイライラしたり疲れてしまうかもしれません。

まずは周りに対して愚痴をこぼしていないか、メンバーに責任転嫁をしていないかなど、自分自身を観察することから始めてみましょう。

3.部下がなにを求めているのか観察する

一人ひとり好みの食べ物が違うように、いわゆる動機付け(モチベーション)は人によって異なります。仲間との楽しいコミュニケーションを好む人もいれば、ひとりで黙々と仕事に集中したい人もいるでしょう。

メンバーのモチベーションを上げて仕事の生産性を上げるためには、日頃からメンバーひとりひとりが仕事において何を求めているのか、どんなことに喜びを見出しているのかなど、求めているものをつぶさに見逃さないようにしましょう。

4.職場にストレスを蔓延させない

ストレスがあると人は周りの人間についつい愚痴をこぼしてしまうもの。このストレスと動機付け(モチベーション)は、実は密接に関わっています。

モチベーションが高く、心が満たされている人から不平や不満が出ることはほぼありません。部下がイライラしていたり不平不満を漏らしているという場合はマネジメントの「何か」がズレていると考えましょう。

マネジメントにズレが生じると部下にストレスが生じ、放っておくと人間関係の悪化を招いてしまいます。結果的に、生産性のダウンや離職率の増加へと繋がってしまうのです。もし部下がストレスを感じていると思ったら、相談に乗ってあげたり、息抜きのために遊びに連れて行ったりと、ストレスケアをしてあげましょう。

■ 年上部下に気持ち良く働いてもらうための4つのコツ

部下が働きやすい環境を作るには

基本を押さえたら次は年上部下のマネジメント方法を学んでいきましょう。職人気質な人が多いと言われる建築現場ですが、心理学的に見るとこうした人々には次のような性格や傾向が強いと言えます。

・はっきりとした信念や価値観、こだわりを持っている
・伝統や文化、歴史などを重んじている
・過去の実績や評価に高い誇りを持って仕事をしている

こうした人々をマネジメントする時に気をつけたいことは以下の4つ。

1.礼節をわきまえる
2.熱意と誠意を見せる
3.相手の話を聞き、時には意見を述べる
4.全ての人が同じタイプではないと知る

こちらもそれぞれ解説していきましょう!

1.礼節をわきまえる

職人気質の方々は心理学的に「職場の人間関係は、仕事の付き合いである以前に、人と人の付き合いである」と考える方が多い傾向にあります。

特に、人としての礼儀や挨拶、言葉遣いは共に仕事をしていく上での基本と考えている職人さんは多いはず。あなたも入社当時、年上の職人さんから「挨拶はしっかりしろ!」と怒られたことはありませんか?

逆にいえばマネジメントをするあなたの方が年下だったとしても、人としての礼節や振る舞いがきちんとしていれば信頼されるための第一歩を踏み出せているはず。まずは大きな声で挨拶をする、年上の職人さんには敬語で接するなど、ご自身の言葉遣いや挨拶を見直してみましょう。

2.熱意と誠意を見せる

職人気質の方々と仕事をする際、ある種の情熱や誠意は必要でしょう。なぜならば、彼らの多くは仕事に誇りを持ち、真剣に打ち込んでいるからです。

このタイプの方はマネジメントをするあなた自身から、仕事に対する「やる気」や「気概」を感じなければ興醒めしてしまいます。

年下であっても信頼できる存在だと思ってもらうためには、朝誰より早く現場に到着して仕事をする、職人さんより早く現場の掃除を始めるなど、できることから仕事に対する情熱を見せていくことが必要かもしれません。

3.相手の話を聞き、時には意見を述べる

相手の話にじっと耳を傾け誠実に話を聞くことも大切です。相手が話をしている時には、目をそらすことも他の作業を行うことも控え、真剣に耳を傾けましょう。

職人気質の人と共にいると自分が過去に成し遂げたことを意気揚々と話したり、仕事や会社の制度について意見を述べることがあると思います。その種の話は煩わしく感じることもあるかもしれませんが、無視してはいけません。

このタイプの方は、「言いたいことがあるなら互いにはっきり言おう。」という価値観を持っている人も少なくないようです。こだわりの強い職人さんとの間では、工期と仕上がりのバランスで揉めることもあるでしょう。しかし筋が通っていれば彼らも聞いてくれるはず。時には、正しいと思ったことをはっきり伝えることも大切です。

4.全ての人が同じタイプではないと知る

前述した通り、人にはひとりひとり性格があります。現場ごとに集まるメンバーの傾向はあるでしょうが、職人気質と言われる人々だけでチームができあがっているわけではないはずです。

マネジメント手法は様々なものがありますが、1つのマネジメント手法は万人に有効なものではありません。大多数に適用できるマネジメントを採用しながらも、少数に対するケアも大切になります。

少し気弱で、職人気質の人間関係に馴染めない人には悩みの相談を。年下の職人の指導に悩んでいる人には、こちらも悩みを打ち明け、共に解決方法を考えることで仕事に対する情熱を見せられるはず。

マネジメントする方は、多様なニーズや多様な個性に合わせてまるでゴルフクラブを持ち替えるようにシチュエーションごとにマネジメントの方法を変えなくてはいけません。

なかなか難しいことではありますが、部下一人ひとりに向き合いその性格を理解するよう勤めれば、多様な個性の集まる応用力のあるチームになり、仕事の幅や顧客の幅も広がっていくはずです。

■ マネジメントの基本は「部下と向き合うこと」

部下としっかり向き合うこと
今回ご紹介したマネジメントの方法に共通することは、部下の性格と向き合い、その性格に合わせたケアをしてあげること。礼節をわきまえることも、熱意を見せることも、すべては相手が望んでいなければ逆効果になってしまうこともあります。

まずはしっかりと現場の職人さん一人ひとりと向き合い、観察してみましょう。本人に話しかけるのが難しいならば、周りの人にその人の性格を聞いてみてもいいかもしれません。その熱意はきっと本人にも伝わるはず。

安全で、効率のよい現場づくりのために、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてください!時間はかかるかもしれませんが、年上の職人さんもきっとあなたに心を開いてくれるはずです。

■監修者 古橋輝一 (ふるはし きいち)
アメリカ発の心理学メソッド「プロセスコミュニケーションモデル(R)」の国内認定トレーナー。
主に個人事業主や法人代表の方を対象にコミュニケーションやストレスケアに関するセミナーやトレーニングを毎月定期的に実施。口コミのみの広がりで述べ1,000名以上の方々が受講している。

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