建設業許可を取得するために知っておくべき5つのポイント。申請方法から注意点を解説

建設業を始めるに当たって、軽微な建設工事を除き必ず建設業許可を受けなくてはいけません

今回は、建設業許可の申請から取得までの流れ、気をつけるべきポイントを紹介します。

知っているようで知らない「建設業許可証」とは?

まずはじめに、そもそも「建設業許可」とはなんなのかを説明します。

建設業法に基づき、建設工事を請け負う場合、原則建設業許可を受ける必要があります。建設業許可を受ける必要がない「軽微な工事」は、以下になります。

【建設業許可が必要ない軽微な工事】
①建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの
②建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

出典:「国土交通省>建設の許可とは」より

 
上記の金額は、税込み金額かつ材料費を含めたものになります。また建設業許可なしに上記に当てはまらない工事を請け負うと、建設業法違反となり、行政処分を受ける可能性があるため注意が必要です。

一式工事とは、複数の専門工事を組み合わせた総合的な建設工事です。一式工事の許可を得ていれば、どのような専門工事も請け負えるという誤解がありますが、専門工事を単独で請け負うには、それぞれの許可を得ておく必要があります。

建設業許可が必要な業種は下記の29業種になります。

建設業29業種
一式工事
土木一式 建築一式
専門工事
大工工事 左官工事 とび・土木・コンクリート工事
石工事 屋根工事 電気工事
管工事 タイル・れんが・ブロック工事 鋼構造物工事
鉄筋工事 舗装工事 しゅんせつ工事
板金工事 ガラス工事 塗装工事
防水工事 内装仕上工事 機械器具設置工事
熱絶縁工事 電気通信工事 造園工事
さく井工事 建具工事 水道施設工事
消防施設工事 清掃施設工事 解体工事

 

建設業許可を取得するために必要な5つの要件

建設業の許可を取得するには、建設業法第7条により定められている4つの許可要件を備えていることと、建設業法第8条による「欠格要件」に該当しないことが必要です。その要件を1つずつ説明していきます。

要件① 経営業務管理責任者がいる

建設業の経営業務において、最低でも1人は管理責任者が必要となります。法人の場合は常勤の役員、個人の場合は事業主本人や支配人で、これまでに一定期間の経営経験や補佐経験を有する者が条件となります。

経営経験の一定期間とは、許可を申請する業種であれば「5年以上」、それ以外の業種の経営経験しかない場合は「6年以上」と定められています。補佐経験も「6年以上」です。また、許可を受けようとする建設業以外の建設業に関して、法人の役員、執行役員、個人事業主、令第3条に規定する使用人としてこれまでに6年以上の経営経験を有することも条件として定められています。

なお常勤のため、他企業の取締役と兼任ができません。

要件② 専任技術者が営業所ごとにいる

各事業所に常勤し、一定の資格をまたは実務経験を持つ専任技術者が1人必要です。専任技術者は「要件①」と異なり、取締役でなくとも問題はありません。ただし、こちらも常勤であることが求められていますので、他企業との兼任は認められません。専任技術者の要件は下記になります(特定建設業の許可を受けようとする場合は異なります)。

【専任技術者の要件】
①指定学科修了者で高卒後5年以上もしくは大学卒業後3年以上の実務経験を有する者
②指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上の実務経験を有する者。または専門学校卒業後3年以上の実務経験を有する者で、専門士もしくは高度専門士を有する者
③許可を受けようとする建設業にかかわる建設工事に関して、10年以上の実務経験を有する者
④国家資格者
⑤複数業種にかかわる実務経験を有する者

 
専任技術者の要件を満たしていることを書類で証明しなくてはいけません。国家資格の場合は、合格証や免許証の原本提示。大臣特任の場合は、認定証の原本提示。実務経験の場合は、工請負契約書や工事請書、注文書、請求書などの原本提示が必要となります。

要件③ 請負契約に関して誠実性がある

請負契約に関して不正または不誠実な行為をする恐れがないことが条件となります。不正な行為は「請負契約の締結または履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為」にあたり、不誠実な行為は「工事内容、工期、天災など不可抗力による損害の負担などについて請負契約に違反する行為」です。

簡単に言えば、法律に違反するようなことをしていないかどうか、ということです。これは許可の対象となる法人もしくは個人、建設業の営業取引において重要な役員などにおいても該当します。

要件④ 財産的基礎または金銭的信用を有している

建設工事を請け負うためには一定の準備資金や、営業活動のための資金が必要となります。許可の必要な規模の工事を請け負うことができる財産的基礎または金銭的信用を有していることが、許可の要件です。
※一般建設業と特定建設業では、要件が異なります。

要件⑤ 欠格要件に該当しない

許可を受けようとする者が、一定の欠格要件に該当しないことが必要です。

ここでの「許可を受けようとする者」とは、法人にあってはその法人の役員、個人にあっては本人・支配人、その他支店長・営業所長などを指します。こちらの欠格要件に関しては問題がないケースがほとんどです。つまり「許可を受けようとする者」が、法に触れるようなことをしていない限りは問題ないと言えます。欠格要件の詳細は、下記をご参照ください。

●国土交通省「建設業許可の要件」

「建設業許可証明書」と「建設業許可票」の違いとは?

手順に沿って、許可申請を行い、無事に建設許可が降りると、「建設業許可通知書」さらに「建設業許可証明書」を取得することができます。これを通称「建設業許可証」と言います。

「建設業通知書」
建設業許可を新規で申請、もしくは更新の申請を行った場合、許可行政庁から許可が降りると、申請者に対して送付されるものが「建設業通知書」です。これはA4の紙面で、許可が降りたことを知らせる通知のことで、基本的に再発行されないため、管理には十分注意が必要です。

「建設業許可証明書」
「建設業許可証明書」は、公共工事の入札参加資格において、建設業の許可を有していることを証明する資料として添付が必要となります。請求先は、許可を受けた許可行政により、異なります。

「建設業許可票」
建設許可証と聞くと、よく間違われるのは“金ピカの金看板”です。営業所や工事現場の壁面に掲げられていて、金色や銀色が多いため、その名残から金看板と呼ばれることが多いのですが、これは建設業許可を取得したら掲げる「標識」です。この標識を「建設業許可票」と言います。よく間違われやすい、建設業許可証との違いを、この機会にしっかり覚えておいてください。

●国道交通省 建設業課ホームページ

建設業許可の申請方法と流れ

実際に建設業許可の申請手順と流れをご説明します。必要な書類は、各許可行政庁(国土交通大臣又は都道府県知事)サイトから、ダウンロードが可能です。しかし、都道府県によって、若干必要書類が異なることがありますので、ご注意ください。

ステップ1 建設業許可の要件をチェック

これまで解説してきた建設業の許可要件を満たしているか、申請か可能かどうかをチェックしましょう。

ステップ2 許可申請書、添付書類の作成

建設業許可の申請には、実に多くの書類が必要となります。以下は、申請時に必要な書類となります。

様式番号 名称
様式第一号 建設業許可申請書
同 別紙一 役員等の一覧表
同 別紙二(1) 営業所一覧表(新規許可等)
同 別紙二(2) 営業所一覧表(更新)
同 別紙三 収入印紙等の貼付用紙
同 別紙四 専任技術者一覧表
様式第二号 工事経歴書
様式第三号 直前3年の各事業年度における工事施工金額
様式第四号 使用人数
様式第六号 誓約書
様式第七号 経営業務の管理責任者証明書
別紙 経営乗務の管理責任者の略歴書
様式第八号 専任技術者証明書(新規・変更)
様式第九号 実務経験証明書
様式第十号 指導監督的実務経験証明書
様式第十一号 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
様式第十一号の二 国家資格者等・監理技術者一覧表(新規・変更・追加・削除)
様式第十二号 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
様式第十三号 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書
様式十四号 株主(出資者)調書
様式第十五号〜十九号 財務諸表(貸借対照表、損益計算書・完成工事原価報告書、株主資本等変動計算書、注記表、付属明細表)
様式第二十号 営業の遠隔
様式第二十号の二 所属建設業者団体
様式第二十号の三 健康保険等の加入状況
様式第二十号の四 主要取引金融機関名

その他、添付書類も必要となり、一式を作成して提出しなくてはいけません。各都道府県のwebサイトで、建設業許可に関する申請手順や手引きが説明されているほか、申請書類のダウンロードが可能となっているので、ご確認ください。

●東京都都市整備局「建設業許可 手引き、申請書類など」

ステップ3 予備審査、申請書の提出

東京都の場合、原則的に初めて申請を行うとき、都庁内の相談コーナーにて、予備審査を受けます。申請書類の確認や不備がないかなど、基本的なチェックが行われ、予備審査を終えると、いよいよ提出となります。

建設業許可の種類・区分


建設業許可には、いくつかの種類、および区分が存在します。どこの場所に営業所を設置するか、どの規模でどのような工事を請け負うか、によって必要な種類と、区分が変わります。種類と区分の違いを解説します。

大臣許可と知事許可の違い

営業所の場所をどこに設置するかによって次のように区別され、国土交通大臣もしくは都道府県知事が許可を行います。

1)国土交通大臣 許可
二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設置して営業

2)都道府県知事 許可
一つの都道府県の区域内のみに営業所を設置して営業

「営業所」とは、建設業を営業するための常設の事務所であり、本店や支店、または常時建設工事の請負契約を結ぶ事務所のことをいいます。現場の作業所や、連絡事務所は含まれません。

一般建設業と特定建設業の違い

建設業とは、建設業法第二条により、元請、下請、その他どんな形態であっても、建設工事の完成を請け負う営業です。この許可区分は、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上の下請契約かどうか、で区分されます。下請人として、工事を行う場合には、下記の制限はありません。

特定建設業
発注者から、元請けとして請け負った1件の工事代金が、4,000万円(建築工事業の場合は6,000万円)以上となる場合

一般建設業
上記を上回らない下請金額の場合

業種別許可制とは

建設業許可には、建設業法により、29種類の業種区分があります。そのうち、2種類の一式工事と27種類の専門工事に分けられ、その工事に応じた業種ごとに許可を受ける必要があります。営業する業種ごとに取得する必要があり、同時に2つ以上の許可を取得したり、既存で取得した許可に新しく追加することも可能です。

許可の有効期間と更新方法

建設業許可の有効期間は、許可の取得から5年と規定されています。許可日から、5年後の許可日の前日で満了となりますので、有効期間満了日の90日前から30日前までに、更新の申請手続きを行う必要があります。

建設業の許可申請に掛かる期間と費用

建設業許可の概要を説明してきましたが、最後に申請から建設業許可を取得するまでに期間とかかる費用について触れます。

建設業の許可申請にかかる期間

建設業の申請については、特に申請書類に問題がなければ1カ月から3カ月程度で完了します。

建設業の許可申請にかかる費用

国土交通大臣許可は15万円、都道府県知事許可は9万円となります。納入方法は、当該都道府県が発行する収入証紙による場合と現金の場合があり、都道府県により異なりますので、詳細につきましては、許可を申請する各行政庁へお問い合わせください。

まとめ

今回は、建設業許可の申請方法や取得について紹介しました。建設業許可を取得する際に、多くの書類を提出する必要があります。建設業許可を取得、更新する際の参考にしてください。

 

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