見えない部分にこそ、職人の腕が表れる。25歳の若さで進誠を立ち上げた、植竹洋之の信念

埼玉県草加市に事務所を構え、電気配線や照明器具の取りつけなどの電気工事業を専門としている株式会社進誠。会社を立ち上げてからわずか5年あまりにも関わらず、その丁寧で堅実な仕事ぶりが評価され、右肩上がりに受注を増やしてきました。

今回ご登場頂くのは、進誠で代表取締役を務める植竹洋之さん。25歳の若さで同社を立ち上げたという彼は、持ち前の電気工事の能力とビジネスセンスにより、会社をここまで大きくしてきました。

植竹さんは、どのようにして自身のスキルを、そして会社を成長させてきたのでしょうか。その軌跡を語っていただきました。

父の背中に憧れ、足を踏み入れた電気工事の世界

―植竹さんは、何をきっかけに電気工事の仕事をするようになったのですか?

植竹:実は、父親が元々、電気工事の仕事をしていました。その背中を見て育つ中で、「自分もいつかは、この仕事をやりたい」という憧れを持つようになったんです。そのため、普通科の高校を卒業した後に、専門学校の電気科に入って2年間専門知識を学び、電気工事を専門とする企業に入社しました。

入社した後は、とにかく毎日仕事をがむしゃらに頑張って。2年くらい経過した頃に、現場を任されるようになりました。

―入社してわずか2年で現場を任されるというのは、相当なスピードですね。そのまま会社に勤めていても安定した生活を送れていたと思うのですが、どうして独立・起業をしようと思ったのでしょうか?

植竹:実は、ちょうどその頃に結婚したため、会社員としてもらう給料だけでは、ちょっと生活が厳しくなりそうだという事情がありました。

それに、当時勤めていた会社は給料が年功序列制だったので、年上の社員がたとえ自分よりも働きの悪い人だったとしても、より高い給料を貰っていたんです。それに納得がいかなかったというのもあって。

それで、より良い処遇を得たいと考えてまずは個人事業主になり、数年間の経験を積んだ後に、地元の仲間4人と現在の会社を設立しました。

見えない部分にこそ、仕事の丁寧さは表れる

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―個人事業主として仕事をし始めた頃は、どのように仕事を受注していましたか?

植竹:当時はまだ20歳そこそこで社会的な信用もなかったので、直接仕事を受注することはできませんでした。ですので、前職で勤めていた会社の下請企業の方に「仕事を手伝わせて下さい」とお願いして、現場に参加させてもらっていましたね。

企業としての体制が整ってからは、少しずつ営業をかけて、それ以外の仕事も受注できるようになってきました。

―社会的な信用を得て、そこに至るまでは並々ならぬ努力があったと思うのですが、植竹さんはどんなことを心がけて仕事をしていましたか?

植竹:「とにかく、丁寧に仕事をする」ということを心がけていました。仮にどこかの企業から仕事を頂けたとしても、そこで結果を出さなければ、次の仕事には決して繋がりませんから。

―植竹さんの考える「丁寧さ」って、どのような部分に表れると思いますか?

植竹:「見えない部分にどれだけ手をかけるか」という部分にこそ、仕事の丁寧さは表れると思っています。

例えば、電気工事の仕事において天上裏での作業をする際に、ある角からその対角に対して配線を引く場合、対角線上に斜めに引いてしまうと耐久性がなくなってしまうんです。だからこそ、耐久性に優れた設備工事にするためには、天上の側面に沿って配線を引いていく必要があります。作業に時間はかかりますが、こうした部分をきちんとやれることが、良い腕を持った職人の条件なんです。

―その、丁寧に仕事をすることの重要さを身に染みて感じたエピソードなどはありますか?

植竹:5年前に発生した東日本大震災で、落下したケーブルラックを修理する現場に携わったときに、それを実感しましたね。ケーブルラックを固定するために使われているビスの種類が少し違っているだけで、被害の大きさが全く異なっているのを目の当たりにしました。たったビス1本だとしても、建物の耐久性を守るためには本当に大切なものだと学びました。

各社員にヒアリングし、それぞれにマッチした業務を担当させる

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▲「社員には必要な資格をなるべく取得してもらいたい」という考えから、進誠では試験日の数週間前になると、既に資格を取得している社員を講師にして勉強会を定期的に開催するのだという。こうした充実の教育制度も、進誠の優れた人材育成の仕組みのひとつだ。

―会社の経営方針についても聞いていきたいのですが、進誠ではどのような方針で人材の育成を行っていますか?

植竹:社員の適性や希望する職種などに合わせて、担当してもらう業務内容を変えています。

―どのようにして、各人の要望をヒアリングしているのでしょうか?

植竹:社員と私とで二者面談を定期的に実施しています。面談の中で、仕事をしていてどのようなことが楽しいか、職人と監督業どちらをやってみたいのか、給料や休みに不満はないか、今後どのようなキャリアを積んでいきたいかといったことを、ざっくばらんに話してもらっています。その内容に応じて、各人がやりたいことを上手に実現できるように調整するのが、私の仕事です。

―どのように人材育成したらいいかわからず、悩んでいる企業が多い中で、それだけ社員の要望を反映した形で業務を割り振っている企業は本当に稀有ですね。

植竹:そう言ってもらえると嬉しいです。その甲斐あって、若い社員も意見が言いやすく、働きやすい職場を実現できていると思います。弊社には中学校や高校を卒業したばかりの若いコもよく入ってきますが、みんな伸び伸びと育ってくれています。それぞれの社員が、自分のやりたいことを実現できるような会社にしていきたいですね。

驕らず、感謝し、丁寧な仕事を

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―進誠がこれほど立派な会社になったのは、植竹さんの仕事にかける情熱や社員への思いやりがあってのことだと、今回のインタビューから伝わりました。

植竹:いえいえ、そんなことはないですよ。自分は人に恵まれていましたし、運も良かった。だからこそ、ここまで来れたと日々思っています。

一緒に会社を立ち上げてくれたメンバーや、頑張って働いてくれている社員たちには本当に感謝しています。それに、仕事を発注してくださっている企業さんには頭が上がりません。

これからも決して驕らずに、丁寧な仕事を守り通していきたいなと考えています。

―その謙虚な姿勢は、多くの社長にとって模範になるものだと思います。今日は貴重なお話をありがとうございました!

 

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