世界初となる鉄筋業界の博覧会『鉄筋EXPO』レポート。次世代へ繋ぐ”結束”が合言葉!

2017年11月24〜26日まで幕張メッセ国際展示場を会場に世界初となる鉄筋の博覧会『鉄筋EXPO 2017』が開催されました。

企業・団体が新製品を紹介するブースが盛況だった他、特設ステージでは、初日に「鉄筋の現状と未来-これからの10年を見据えて-」と題したシンポジウム、2日目には日本一の鉄筋工を決める競技大会「TETSU-1グランプリ」、そして「高校生鉄筋クイズバトル」「鉄筋ART展」など様々な催しが行われました。

今回は、『鉄筋EXPO 2017』のレポートを通じて、鉄筋業界が様々な手法で取り組む人材確保・担い手確保をお伝えしたいと思います。

3日間で1万2000人が来場!鉄筋業界の結束が見えた!

『鉄筋EXPO 2017』の会場の様子

『鉄筋EXPO 2017』は、”僕達、私達の生活の見えないところで支える「鉄筋」の博覧会”をテーマに開催されました。参加企業・団体は約130社に及び、来場者は約12,000人にのぼりました。

他業界で行われるコンペティションや展示会と異なっていたのは、鉄筋業界関係者はもちろんのこと、学生や子どもに向けたイベントごとが多く、鉄筋のことを「知れる・触れる・楽しむ」といった要素が強かったことです。

『漫画の一コマ』:多摩美術大学とデーバー加工サービス株式会社の作品

『フェイス』:東京モード学園と東海メタル株式会社の作品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えば、『鉄筋ART展』では、美術大学や専門学生と鉄筋加工会社がコラボレートするという画期的な取り組みが行われました。遊び心が溢れるデザインやスタイリッシュな作品が8点展示され、鉄筋の無骨なイメージを一新。来場者の多くの方が足を止め、スマートフォンで撮影している姿が見られました。

とくに『漫画の一コマ』は、漫画の集中線と擬音が鉄筋で表現されており、人物が映り込むことで、漫画の一コマのような写真が撮れるアイデアです。インスタ映えやSNSでの拡散を考えた画期的な取り組みだったのではないでしょうか。

家族連れが多かった11月25日(土)・26日(日)には、『縁日コーナー』や『鉄筋EXPOキッズツアー』が開催され、お子様が楽しみながら、鉄筋に興味しんしんになっていたことも印象深かったですし、当日受付にも関わらず43組172名が参加した『結束リレー』や『鉄筋業界マル得オークション』など趣向を凝らしたイベントが会場を盛り上げていました。

そんな数多くのイベントの中でも、「ケンセツプラス編集部」が注目したのは、『高校生鉄筋クイズバトル』です。

鉄筋業界の次世代を担う工業高校の生徒が知識を競う!

高校生鉄筋クイズバトルの出場者
『高校生鉄筋クイズバトル』に参加したのは、千葉県立京葉工業高校や東京都立総合工科高校など関東の工業系高校から集まった6チーム。チームは3名からなり、なんと女子高生のメンバーを有するチームも参加していました。

近年、建設業界では若い技能者が減り、担い手不足が問題視されています。加えて、オリンピックの特需や技能者の高齢化が重なり、人出は足りなくなる一方です。担い手確保は建設業界の最重要課題として官民協働で対策が行われています。このクイズバトルも若い世代に鉄骨業界に興味を持ってもらい、担い手を増やすことを目的にしているそうです。

EXPO会場には業界関係者やベビーカーを押した業界関係者のご家族も多数来場していました。多数の観客に見守られながら、いよいよクイズバトルがスタートします。

1stステージは早押しクイズ、建設業界で「KY」といえば何の略?

『高校生鉄筋クイズバトル』1stステージは基礎知識編

1stステージは、早押しクイズ方式。 TV番組でも一般的なコーナーですが、「鉄筋クイズバトル」ということで、鉄筋や工事現場に関する基礎知識からマニアックな問題まで多数出題されました。

では、どのような問題が出題されたのでしょうか?その一部をご紹介したいと思います。
読者の皆さんには簡単すぎるかもしれませんが……。

出題例
Q1.建設現場においてコンクリートを運ぶ一輪車を動物に例えると何と言いますか?

Q2.鉄筋を拘束する道具を何と呼ぶ?

Q3.建設業界で「KY」といえば、何の略でしょう?

業界関係者でなければ、頭に「?」マークが浮かんでしまいそうな問題ですが、さすがは工業高校に通う生徒。「こんなの簡単」とも言わんばかりに余裕のある表情で正解を重ねていきました。

(答えは、Q1から順に、「ネコ」、「タッカー」「危険予知活動」になります)

ちなみにこれがネコ(一輪車)。日常的に利用されている方も多くいるかと思います。

手押し車_猫のイメージこの名前で呼ばれるようになった由来は諸説ありますが、「ネコが通るような狭い足場でも通ることができる車なので」という説や、「逆さに伏せると丸まった猫の背に似ていることから」という説があります。

このステージでリードしたのは女子高生メンバーを含む市川工業高校と京葉工業高校の2チーム。

2ndステージ、1年間にリサイクルされる鉄の量は何トン?徐々に難易度もあがります

高校生鉄筋クイズバトル 2ndステージの出題例

次なるステージはフリップを使った自由回答クイズ「映像クイズ〜鉄筋ってどうやってつくられるの?どうやって加工するの?〜」。作成された映像を見て解答していくスタイルですが、映像が本当に豪華!主催者の本気がうかがえます。

1stステージは、建設関係者にとって簡単な問題が続きましたが、このステージから出題レベルが一気に上がっていきます。

例えばこんな出題がありました。

出題例
Q.日本国内で1年間に生産される鉄の量は約1億トンです。ではそのうち、鉄スクラップを再生しているのは全体の約何割でしょう?

マニアックすぎる問題なので、業界関係者でも頭を抱えそうです。高校生たちも自信がなさそうにチーム同士で相談しています。

ちなみに正解は「約2割」!
(約2千万トン ※一般社団法人 日本鉄リサイクル工業会より)

皆さんは御存知でしたでしょうか?さらに難問が続き、鉄筋を溶接する映像を見せて、その技術の名前を答えるクイズや……。

溶接技術に対する問題

女性レポーターが工場に出向き、「鉄筋にぶら下がった結果、結束がどこまで耐えられるか」を答える実験クイズ……。

難しい鉄筋の問題

思考力が問われる問題の数々ですが、高校生も食いつきます。2ndステージで頭ひとつ抜けていた市川工業高校、京葉工業高校の両チームがリードを守りながら、いよいよファイナルステージへ。

いよいよファイナルステージ、優勝したのはどこのチーム!?

鉄筋EXPOのハイライト

ファイナルステージは記述式クイズ「鉄筋マンへの道」。制限なく問題が出題され、先に10ポイントを先取したチームが優勝します。

最終ステージでも、主催者の本気は止まりません。高校生には難しい問題を次々と繰り出していきます。

ステージ上で争っているのは、あくまで高校生ですが、それを見ているすべての方々が、出題に対して頭を悩ませています。業界関係者の方も、そうではない方も鉄筋に対する知識と興味を培っていく。『高校生鉄筋クイズバトル』は、人材確保・育成の面からも鉄筋業界の認知度の面からも非常に面白い取り組みとなっています。

出題例
Q.鉄筋を搬入したり作業場所に移動する時にはクレーンを使用します。
その際、クレーンのオペレーターに合図を送ったり、ワイヤーロープを掛けたりするのには資格が必要となります。
その資格の名前は何でしょうか?

 

出題例
Q.鉄筋には製造メーカーや鉄筋の強度などが刻印されています。その刻印の事を何と呼ぶでしょうか?

 

出題例
Q.鉄筋コンクリート造の基礎は杭基礎、布基礎の他、何基礎があるでしょうか?

いくつ答えがわかりましたか?

正解は上から順に、
「玉掛け」「圧延(あつえん)マーク」「ベタ基礎 or 深基礎」
になります。

難問がつづき、デッドヒートが繰り広げられた『高校生鉄筋クイズバトル』。
激戦を制したのは、京葉工業高校でした!

優勝した京葉工業高校チーム

 

合言葉は”結束”!担い手の育成とベテランの融合を!

表彰後のインタビューでは、メンバーのひとりが「将来は現場監督になって学んだ知識を活かしたい」と答え、これからの建築業界を支える世代の明るい未来を感じさせてくれました。

「担い手がいない」と嘆かれ、早急な対策が進められている建設業界ですが、回答者になった高校生のように、今回の『鉄筋EXPO 2017』では、高校生やその下の世代、一般の方にも親しみやすい取り組みが多く行われていました。世界初と言われる鉄筋業界の博覧会でしたので、試行錯誤の繰り返しではあったと思いますが、次世代への架け橋となる充実した3日間になっていたのではないでしょうか。

今回は会期を通じて、様々な場面で”結束”という言葉を聞くことができました。鉄筋業界の表すキーワードではありますが、そこには「現在から未来へ」「ベテランから新人」など、異なる2つのモノをつなげる意味が含まれています。

鉄筋業界の仕事は建築物が完成してしまうと、その成果は隠れてしまいます。しかし、見えないところで建物の安全を支えています。今回の『鉄筋EXPO 2017』では、まだはっきりとは見えませんが、多方向への”結束”が生まれたような気がします。

まだ1回目。次回への期待が膨らむ、鉄筋業界初の博覧会『鉄筋EXPO 2017』となりました。

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