建設業の現場でも、生産性向上のためにスマホアプリを導入する事例が増えています。国土交通省も建設業界をIT化する「i-Construction」を推進しており、現場作業の効率化を実現するためには今やIT技術が不可欠。多くの人がスマホやタブレットを持つ現在、もっとも身近な取り組みが建設業向けアプリの導入です。
そこで今回は、簡単に導入ができ、建設現場ですぐに役立つ8つのスマホアプリをご紹介します。
目次
施工管理をサポートするコミュニケーションアプリ3選
施工管理は大規模な現場になるほど工数が増えると同時に、コミュニケーションをとらなければならない人や会社の数も増えてきます。従来の現場では、職人や協力会社、元請同士とのコミュニケーションは口頭や電話、メールでのやりとりのほか、重要な書類などは手渡しするなど、1対1対での対話が基本で、時間も労力もかかり非効率的でした。
こうした現場の複雑なコミュニケーションを効率化するために役立つ、便利なスマホアプリをご紹介しましょう。
1. 写真の整理・共有機能やストレージ機能も持つ「Photoruction」
「Photoruction」は現場情報を一元管理し、リアルタイムに共有できるアプリ。Photoructionの強みは、現場写真の整理・共有機能です。
電子黒板をつけて写真を撮影する機能のほか、写真を関係者で共有したり、自動で整理したりすることもできます。また、書類や図面も共有でき、ストレージ機能もついているため、総合的なコミュニケーションツールとしても活用できます。
運営会社
株式会社フォトラクション
2. あらゆる現場情報をどこでも共有できる「ダンドリワーク」

「ダンドリワーク」は、写真、資料、工事報告書、工程表などの現場情報を共有できるアプリです。ダンドリワークを導入すると、職人や業者と個別に連絡をとる必要がなく、リアルタイムに情報共有ができます。
クラウド上で常に最新の情報を共有できるため、仕様や工程表の変更にもすぐ対応できます。また、アカウントごとに閲覧・更新の権限を設定できるため、情報の機密性も保てます。
運営会社
株式会社ダンドリワークス
3. 従来の野帳をそのままデジタル化した「eYACHO」
従来、現場監督の業務をサポートしてきた野帳をそのままデジタル化したのが「eYACHO」です。紙の野帳同様、現場で自由自在にスタイラスペンで手書きメモがとれるほか、写真を添付したりPDFの上に書き込みしたり、その情報を離れた場所でもリアルタイムで共有することができます。さらにそのメモを録音した音声とリンクできることも大きな特徴で、メモに合わせて音声を頭出しして再生できるため、業務内容を効率的に振り返ることができます。ほかにもタスク管理機能や、帳票作成機能もついており、従来の野帳以上の機能が備わっています。
運営会社
株式会社 MetaMoJi
業務効率化につながるお役立ちアプリ2選
施工管理のほかにも、勤怠管理、帳票作成、資材管理など建築業界には多様な業務があります。慢性的な残業の原因のひとつであり、IT技術の導入で工数削減が見込まれる部分です。業務効率化につながるアプリをご紹介します。
4. 帳票作成にかかる工数を削減できる「i-Reporter」
建設現場での記録や報告書など、帳票の作成も大きなウェイトを占める業務です。「i-Reporter」は帳票作成のために事務所へ戻る必要がなく、現場で業務を完結できる帳票作成アプリです。
数値やテキストの入力だけでなく、写真や図面もその場で取り込むことができます。既存の帳票フォーマットをそのまま読み込めるため、使い慣れた帳票のイメージのままペーパーレス化が達成できます。
運営会社
株式会社シムトップス
5. 資材管理をサポートするデジタルカタログ「iCata」

「iCata」は、建材などの資材のカタログが約11,000冊分収録されたデジタルカタログアプリです。
「iCata」を導入することで、重くてかさばる紙のカタログを持ち運ぶ必要がなく、いつでもどこでも必要な資材を発注できます。ペンや付箋機能もあるため、その場で打ち合わせに使うことも可能です。
運営会社
凸版印刷株式会社
現場で役立つ実用的アプリ3選
ほかにも現場のさまざまな場面で役立つスマホアプリが数多くあります。重たい工具を使う作業や、人力だと手間のかかる作業をスマホアプリで代替することで、労務コストの削減や、現場の作業の効率化につながります。
6. 現場の検査が楽になるARアプリ「Pinspect」

現場の検査をする際、紙ベースの報告書だと検査箇所がわかりづらく、そのうえ作成に手間がかかるという問題があります。
「Pinspect」はAR(拡張技術)を活用し、現場の空間に直接デジタル付箋をつけ、視覚的にわかりやすく現場情報を保存できます。また、検査した箇所は二次元の図面にも反映されます。
運営会社
BIZ-AR
7. デスクトップ版の図面をそのまま使える「AutoCAD」
デスクトップ版のAutoCADと連携し、作成したCAD図面をどこでも活用できるのが、アプリ版の「AutoCAD」です。
CAD図面を閲覧するだけでなく、現場で図面を作成したり、修正を加えたりと、柔軟な使い方ができます。作成・編集したCAD図面はクラウドストレージサービスで共有し、ほかの端末で利用できます。
運営会社
オートデスク株式会社
8. 高機能な工事黒板つきの写真を撮影できる「蔵衛門工事黒板」
いつでもどこでも工事黒板つきの写真を撮影できるのが、「蔵衛門工事黒板」です。
GPSを使って写真に位置情報(緯度・経度)を付与できるため、基準の厳しい完成写真や災害写真としても使えます。また、改ざん検知機能も搭載されており、写真に不適切な修正が施されていないかもチェックできます。
運営会社
株式会社ルクレ
簡単に導入できる“手軽さ”と、“情報の共有”が、建設現場の作業を効率化させる!

今回、ご紹介したアプリは、どれもダウンロードすればすぐに使えるものばかり。ITテクノロジーの最大の魅力は、この手軽さと、スマホやパソコン、タブレットなどを介してさまざまな場所や人と情報をリアルタイムに共有できることにあります。こうした利便性が、煩雑になりがちな建設業の現場のコミュニケーションや管理業務の効率化につながるのです。業務効率化の課題で悩んでいる方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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