危険物管理に必須の「有機溶剤・特定化学物質持込使用届」の書き方

建材に色をつけたり保存性を高めてくれたりする「塗料」には、シンナーやトルエンなど、人体に害をもたらす物質が使われているものがあります。

このうち、工事現場で使うものは危険性が高いものも多く、取扱資格を持たずに使用すると事故の原因になることもあるのです。

ガソリンをはじめとした危険物や、シンナーのような有機溶剤など、火災事故につながりやすい物質の管理体制を確認するためにあるのが、労務安全書類グリーンファイルの「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」。今回は、この書類の書き方を学んでいきましょう。

有機溶剤・特定化学物質等持込使用届とは

「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」は、危険物を使用する二次下請負以下の会社が作成する書類で、基本のフォーマット様式はA4サイズの「全建統一様式第11号」。この書類は、危険物の有害性や取扱方法を記載した「SDS安全データシート」や「安全対策の資料」などを添付して元請負に提出します。

危険物は使用方法や管理方法を誤ると、現場だけでなく、周辺住民にも悪影響をおよぼす事故の原因になる可能性があります。それらの事故を避けるため、元請負はこの資料をもとに消防署へ届出を行うのです。

書類の作成方法で難しい点はありませんが、安全な現場を作れるように、どのような物質が現場にあり、どのように使用・管理されるのかを把握し、ひとつひとつの項目を丁寧に記載していきましょう。

それでは、参考書類とともに記入方法を紹介します。

「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」の記入項目その①

「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」は、工事事業所や自社名を記入する項目の下に記入用の枠が作られ、全8項目に分かれています。

・使用材料
・使用場所
・保管場所
・使用機械又は工具
・使用期間
・作業主任者等
・SDS
・換気等対策

これらの項目を記入例とともに紹介していきましょう。

①使用材料

「商品名」「メーカー名」「搬入量」「種別」「含有成分」という5つの項目に分かれています。フォーマットの注釈にもあるように、「含有成分」は材料に添付されているラベル成分表等から写して書けば問題ありません。

もしラベルが汚れたりはがれてしまったりしている場合は、メーカーのWebサイトからデータを参照できますので、参考にしましょう。

②使用場所

「倉庫棟地下1階および集配室塗装工事」のように、作業現場で使用する場所を書きます。

③保管場所

使用する材料を保管する場所を書きます。「事務所横材料置場に専用のコンテナハウスを設置」のように、保管状況が分かるように書くとよいでしょう。

④使用機械又は工具

塗料を使う場合、手塗りの場合は「ハケ塗りまたはローラー塗り」、吹き付けの場合には「スプレーガン」など、使用する際に使う機械・工具の種類を書きます。

「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」の記入項目その②

⑤使用期間

作業現場で使用する期間を記入します。フォーマットにも「予定」と記載されていますので、予定されている工事期間に従って記入しましょう。

⑥作業主任者等

危険物の使用会社に所属する作業責任者の名前を書きます。責任者には危険物を扱うために必要な資格(危険物取扱者)を取得している人物のうち、書類に記入する危険物を取り扱える作業員を選任しましょう。

加えて、作業の順序や要点を記載した「作業手順書」添付の有無についても、どちらかを○で囲みます(元請負業者が手順書の添付を求めない場合は「無」で構いません)。

事前に用意した作業手順書がある場合は、有に○をつけますが、元請負と一緒に手順書を作成する場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

⑦SDS(安全データシート)

この項目には、SDS添付の有無を記入します(元請負業者が手順書の添付を求めない場合は「無」で構いません)。SDSは購入した際に販売業者が添付してくれている場合もありますし、別データで送られる場合もあります。現場に持ち込む前には必ずSDSがあるか確認しておきましょう。

危険指定されている物質の含有量が少ない商品によっては、SDSの添付が必要ない場合もあります。もし、保管している商品のSDSが見当たらない場合は、添付が必要ないものなのかを確認しておくことが大切です。

添付が必要かどうかは、経済産業省の右記サイトにルールが記載されていますので、確認が必要な場合は参照しましょう。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/qa/3.html#q1

⑧換気等対策

この項目には危険物に対する安全対策を記入します。たとえば、「塗装開始から乾燥するまで、送風機にて送排気する(エポキシ塗料の場合)」のように記入するとよいでしょう。書ききれない場合は、「別紙の通り」と記載して資料を添付します。

取り扱い注意!を安全に扱うために

記入項目は以上です。

有機溶剤や特定化学物質は使い方を誤ると、広範囲に影響をおよぼす事故の原因になってしまう危険物。「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」は簡単に記入できる書類ではありますが、現場や周辺住居の安全衛生を維持するために欠かせないものだと言えるでしょう。

今回紹介した書類作成を行うだけでなく、使用者や周囲の人たちの安全を守るため、日々危機意識が高まるように注意喚起もあわせて行っていきましょう。

◎そのほかの労務安全書類(グリーンファイル)作成方法はこちら
ケンセツプラスの「安全書類の書き方」シリーズ

 

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