これを読むだけで全てわかる!基礎から理解する「再下請負通知書」

工事をする前に提出する「安全書類(グリーンファイル)」の作成って、けっこう面倒なもの。過去の作成例を見ながら、なんとなく該当項目を埋めているだけ、という人も多いのではないでしょうか。

書類の種類も多く、煩雑な作業になりがちな書類作成ですが、書類や入力項目の意味をきちんと理解しておけば、実はそれほどむずかしい作業ではありません。

ここでは、そんな安全書類のなかでも、「再下請負通知書」にスポットを当て、その基礎知識や作成のコツについてお教えします!

再下請負通知書って何?

再下請負通知書とは?

工事を始める前に揃えるべき安全書類と言われる書類には、施工体制台帳や施工体系図などをはじめとして多くの書類があります。特に公共工事の場合と、民間工事で下請契約の請負金額の合計が4,000万円(建築一式工事は6,000万円)以上になる場合は施工体制台帳を作成することが義務付けられています。

そのうちのひとつ、再下請負通知書は、一次下請と二次下請、二次下請と三次下請といったように、一次下請以下の下請契約について、元請に報告する書類です。資材搬入業者や測量業者などではなく、直接工事を行う業者と下請契約を結んだ場合は、それが三次下請であっても四次下請であってもこの書類を提出しなければいけません。

この書類を基に、元請の建設業者は工事に関わっている業者を把握し、安全で適切な工事が行われる状況にあるのか確認します。先の施工体制台帳などを作るのにも必要になるため、下請がメインの建設業者にとってはよく作る書類と言えるでしょう。

自社が下請け契約で請け負った工事の範囲内で、さらに下請業者と契約を結ぶ場合でなければ、この書類は作成の必要がありませんのでご安心ください。

再下請負通知書はいつ提出するの?

再下請負通知書の提出

再下請負通知書は下請業者との契約を結んだ後、工事着工前に作成し提出しなければいけません。工事の途中で変更があった場合には、その都度新しいものを作って提出することになります。再下請負契約を結ぶ場合には、元請業者から「再下請負通知書を作成してください」という旨の通知がありますので、その通知に記されている提出先や期日を守るようにしましょう。

ちなみに、自社が二次下請、三次下請などの場合、直近上位注文者を抜かして、直接その工事の元請に書類を提出することも可能です。提出前に一度確認するといいでしょう。

再下請負通知書に記載する内容

再下請負通知書に記載する内容は、大きく分けると自社のことと、発注した下請会社のことの2つです。

saishita4

記載する項目はほぼ同じでわかりにくいのですが、書面フォーマット上で先に書く方(※主にA3用紙の左側or A4用紙の1枚目)が自社のことになります。書類をよく見ると「自社に関する事項」という記載がありますので、間違えないようにしてくださいね。もう片方には「再下請負関係」と記載されています。

最初に直近上位注文者と元請名称を記載したら、自社と再下請負人の項目を埋めていきましょう。補足しておくと、この直近上位注文者と元請名称は、あなたの会社が一次下請にあたる工事の場合は同じになります。残りの項目は自社と再下請負人で項目名は同じとなりますので、それぞれ記載していってください。

同じように見えて違う「工事名称及びに工事内容」「工期」「契約日」に注意

saishita5

一見すると「同じ工事を行うのだから一緒じゃないか」と考えてしまいそうな項目が「工事名称及びに工事内容」「工期」「契約日」のまとまって並んでいる3項目です。ここには注意してください。

「工事名称及びに工事内容」に関して、工事名称は同じになりますが、工事内容は再下請負人の場合、より細かい部分を担当することになるので、さらに具体的な内容を書きましょう。例)○○商業ビル新築工事 / 給排水衛生設備工事

「工期」は、あなたの会社がその工事に従事する期間と再下請負人が工事に入る期間はたいてい異なっているはずです。それぞれの工事期間の見込みもしくは契約期間に沿って記載してください。なお、工事の進捗によって期間の延長がある場合は、それが確定した段階で書類を作りなおして提出する必要がある点も注意が必要です。

「契約日」も、あなたの会社が直近上位注文者と契約した日と、再下請負人と契約した日をそれぞれ記入してください。

基本的には「建設業の許可」に入力する内容は変わらない

saishita6

初めてこの書類を作成する方は、「建設業の許可」という項目でちょっと戸惑うかもしれません。これはあなたの会社もしくは営業所が受けている建設業法上の許可について記載する項目で、工事ごとに許可を受けるようなものではありません。こちらは会社に確認するか以前作成した書類を確認すればOKです。

注意したいのは、工事の内容によって受けている許可業種が異なってくる場合です。工事内容が変わる場合は、以前の書類に書いた許可業種をそのまま書かないように一度見直しましょう。

「大臣or 知事」の許可に関しては、会社営業所が1つの都道府県内にある場合は知事許可となり、複数の都道府県に営業所がある場合などは大臣許可となります。工事ごとに変更があるわけではないので、ここは変わりません。しかし、「特定or 一般」の部分は変わることがあります。例えば大工工事業では特定建設業の許可を受けているのに、屋根工事業や塗装工事業では一般建設業の許可といった場合です。特定/一般のどちらに〇をつけるべきか、注意して確認しておきましょう。また、特定/一般いずれであっても、許可番号は変わりません。

続いて記入する健康保険等の加入状況という項目は、会社の加入している保険の状況が変わらない限り同じです。そのため、こちらはあまり気にする必要はありません。

だれの名前を書けばいい?現場の役職について ~その①~必ず記載しなければいけない項目

saishita7

この書類を作るうえで一番やっかいなのが、監督員名や現場代理人、安全衛生責任者名といった、人員配置に関わる部分です。それぞれの項目にルールがあるので、各項目についてちゃんと理解しておきましょう。

まず、必ず記載しなければいけない主任技術者と雇用管理責任者名について説明します。

主任技術者は、工事現場において工事施工における技術上の管理を行う非常に重要な立場です。そのため、その工事を実施する上で必要な資格を備えている人でなければいけません。

また、公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事で、工事一件の請負金額が3,500万円以上(建築一式工事の場合7,000万円以上)の場合は、現場に常駐する“専任”の主任技術者を置く必要があります。

そのため、大きな工事の場合は、その期間中ほかの現場が入っていない人を選びます。工事金額が下回る場合か公共性の無い個人住宅の場合などは、ほかの現場と兼任してもいい“非専任”で主任技術者を置くことができます。

続いて雇用管理責任者ですが、こちらは主に会社の代表や人事担当者などの労務管理などを行っている人の名前が入ることが多いです。現場での労働者の募集や雇い入れ及び配置ができる人の名前を書きましょう。現場に常駐する必要はなく、ほかの責任者との兼務も可能です。

だれの名前を書けばいい?現場の役職について ~その②~省略してもいい項目

saishita8

次に、省略して無記名にしてもいい項目について説明します。

まず、監督員と現場代理人について。監督員とは、請負契約の的確な履行を担保するため、注文者の代理人として、請負わせた工事が設計図書に従って施工されているか否かを監督する者です。現場代理人とは、受注者の代理人として、注文者との協議、承諾、通知、指示、請求、報告、申出などを行い請負契約に従った施工を実現する権限を授与された者です。

したがって、こちらは自社の代表が現場に常駐して工事にあたる場合などは記載の必要がありません。注文者や請負人である代表に代わって指示、協議する権限を委譲される立場の人になるので、その必要がない場合はいらないという訳です。どちらも特定の資格などは必要ありませんが、工事の進捗を確認し施工内容にミスなどがあった場合にすぐにそれがわかるような人が望ましいです。

注意点として、公共工事において現場代理人は基本的に工事の現場に常駐しなければいけないので、置く場合はその工事の期間中ほかの現場が入っていない人を選びましょう。ちなみに現場代理人は主任技術者と兼任できますので、兼任させる場合は同じ方の名前を書くことになります。

続いて、安全衛生責任者と安全衛生推進者について。こちらも選ぶにあたって特別な資格は必要なく、ほかの役職と兼務できます。この役職に与えられた責務は現場の安全衛生に努め、指導を行うことです。安全衛生責任者は、必ず選任しなければならず、現場に常駐しなければなりません。一方、安全衛生推進者の場合は、10人以上50人未満の現場のときに置く必要がありますが、常駐の必要はありません。安全衛生責任者との兼務が可能です。

最後に、専門技術者について。専門技術者名の項目には土木・建築一式工事を施工する場合で、その工事の中に専門工事が含まれるのであればその専門工事の主任技術者の資格を有する者を記載します。また、土木・建築一式工事以外の建設工事で付帯工事を行う場合にも主任技術者の資格を有する者を記載します。ほかの役職との兼任は可能で、該当する専門工事を行う場合には常駐しなければいけません。

補足ポイント:「権限及び意見の申し出方法」の記載内容について

saishita9

監督員名や現場代理人名の欄には続いて「権限及び意見の申し出方法」とあります。こちらは監督員や現場代理人を置く場合に、必ず記載しなければいけない項目です。

多くの場合、下請契約を結んだ際の契約書に記載してあるため、「基本契約約款のとおり」や「契約書に準拠する」と書けばOKです。契約書に記載がない場合でも、「口頭及び文書による」と書けば大丈夫です。もし提出する際にそれではダメだと言われた場合は、より具体的に申し出の方法を書くようにしましょう。

基礎知識をしっかり学び、効率の良い書類作成を

再下請負通知書は、1度しっかり記入項目の意味を理解してしまえば、あとは意外と簡単に作ることができるものです。大切なのは、書類の作成を始める前にしっかりと契約書および下請契約を結んだ業者の建設業許可や保険加入状況、そして人員配置などを把握しておくこと。そうした情報があれば、スムーズに書類作成ができるでしょう。

ここで得た知識を元にして、効率の良い作業を実現してみてください。

◎そのほかの労務安全書類(グリーンファイル)作成方法はこちら
ケンセツプラスの「安全書類の書き方」シリーズ

◎労務安全書類(グリーンファイル)の電子による作成ツールはこちら
⇒ 「グリーンサイト」http://www.kensetsu-site.com/service/green.html

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でケンセツプラスをフォローしよう!