外国人作業員が増加中!いつか書くかもしれない「外国人建設就労者現場入場届出書」の作成法

2020年に開催を控えた東京オリンピック・パラリンピック。都心では老朽化した施設の建て替えや、海外旅行者などの新たな需要を見込んだ施設などの工事ラッシュが起こっています。そのような時勢のさなか、問題となっているのが工事に関わる人員不足です。

建築業界の高齢化に伴う技術者の引退やきびしい労働環境からの若者の入職減などを理由に建設産業の担い手の不足が懸念されています。

こうした中で、国内での人材確保・育成とあわせて、即戦力となり得る外国人材の活用促進を図るために、技能実習生として日本で建設技術を学び母国で活躍する「若手技術者の育成」や「技能実習修了後の継続雇用」といった手段を用いて、2015年より外国人材の活用に係る緊急措置がスタートしました。

技能実習生は本来研修後に本国に帰らなければいけないことが決められていますが、建築業界では上記の人手不足の問題から特例的に外国人就労者の受け入れが始まっています。

この記事では、施工体制台帳関係の労務安全書類(グリーンファイル)のひとつで、外国人建設就労者の現場入場に際して必要な、「外国人建設就労者建設現場入場届出書」の書き方を紹介します。

■「外国人建設就労者建設現場入場届出書」とは?

「外国人建設就労者建設現場入場届出書」は、技能実習生だった外国人を雇用する場合に一次下請負以下の企業が直近の元請負に提出するもので、以下の人を雇用し、建設現場に入場してもらうために必要な書類です。

・建設分野の技能実習に2年以上従事して修了した後に、引き続き日本に留まって建設業務に当たる人
・技能実習を終了して一度帰国した後、再び日本で建設業務に就くことになった人

ちなみに、現在技能実習生の外国人や、技能実習と関係ない外国人(永住者等)を雇用している場合は、この書類は必要ありません。技能実習生の受け入れにはまた別の書類が必要となりますので注意しておきましょう。

また、外国人就労者は元請けによって受け入れ体制が異なっています。受け入れの姿勢を指名しているゼネコンがほとんどですが、元請けとなるゼネコンの方針によって受諾が許可されない場合もありますので、必ずしも外国人就労者の入場が認められるわけではないことを覚えておきましょう。

この記事では、元請けとなるゼネコンが申請後の外国人就労者の入場を許可している前提で、記入の方法をご説明します。

「外国人建設就労者建設現場入場届出書」の基本のフォーマット(様式)は、「全建統一参考様式第1号―甲―別紙」で、記載の内容は「建設工事に関する内容」「外国人就労者について」「外国人就労者を受入れている企業について」の3つの項目に分かれています。

書類を作成する際、記載するのはA4サイズの書類1枚ですが、以下4つの添付書類を各1部ずつ揃えて一緒に提出するので、添付漏れがないように気をつけましょう。

①適正監理計画認定証
②パスポート(旅券番号、国籍、氏名等と在留資格の押印のある部分)
③在留カードの表面と裏面
④受入建設企業と外国人建設就労者との間の雇用契約書及び雇用条件書(労働条件通知書)
⑤有している技能資格の写し(玉掛け等の免許・講習)

※上記の書類は全て写しで問題ありません。

この中でわかりにくいのは、「適正監理計画認定証」でしょうか。これは、外国人建設就労者を雇用する企業の管理体制が認められたことを証明する書類で、雇用する企業に対して外国人建設就労者の人数や働く場所が適切か、受入から帰国までのスケジュールや、過去に外国人就労に関する不正をしていないか、日本人と同レベルの給与が予定されているかなど、総合的に判断して国土交通省から交付されます。

なお、「受入建設企業」になれるのは、技能実習の実習実施機関として建設分野技能実習を実施したことがある事業者のみなのでご注意ください。

■外国人建設就労者建設現場入場届出書の記入内容

外国人建設就労者建設現場入場届出書の作成にあたって、難しい項目は特にありません。書類のフォーマットを見れば、何を書けばいいのかわかるものばかりですので、間違いがないように気をつけましょう。

それでは、外国人建設就労者建設現場入場届出書の記入内容を紹介します。
「全建統一参考様式第1号―甲―別紙」にしたがって、上から順番に説明していきます。

◎Step1「建設工事に関する事項」について

「建設工事に関する事項」と書かれた項目は、「建設工事の名称」と「施工場所」という2つの枠を埋めていきます。”〇〇ビル新築工事”など、「建設工事の名称」の「施工場所」欄には該当する現場の名称と住所を記載します。

◎Step2「建設現場への入場を届け出る外国人建設就労者に関する事項」について

次に、「建設現場への入場を届け出る外国人建設就労者に関する事項」と書かれた項目へと移ります。

こちらには該当する外国人建設就労者について、各個人ごとに
・氏名(在留カードに記載されているものと同じ表記)
・生年月日
・性別
・国籍
・従事させる業務
・現場入場の期間
・在留期間満了日(在留カードに記載されている、日本を出国する日程)

をそれぞれ埋めていきます。

こちらも特に難しい点はありませんが、現場入場の期間は必ず在留期間満了日より前の日程を記入しなければいけません。外国人建設就労者の帰国スケジュールも加味して現場入場の期間を設定しましょう。

◎Step3「受入建設企業・適正監理計画に関する事項」について

最後に、「受入建設企業・適正監理計画に関する事項」を記入します。

1.「適正監理計画認定番号」
⇒適正監理計画認定証の番号を記入

2.「受入建設企業の所在地」
⇒自社の住所を記入

3.「元受企業との関係(直近上位の企業名その他)」
⇒自社が何次下請負なのか、直近上位企業について簡潔に記入する
[記入例:【一次下請】○☓建設(株)→【二次下請】(株)☓○工務店]など

4.「責任者」「管理指導員」
⇒自社の該当者の役職と氏名を記入

5.「就労場所」「従事させる業務の内容」「従事させる期間(計画期間)」
⇒うっかりしていると先程記載した外国人建設就労者のことを書いてしまいそうになりますが、自社の情報を記入しましょう

6.「就労場所」
⇒自社が請負う工事が実施される範囲を記入。ある程度大きな企業なら関東地方や関西地方と書くことになるでしょうし、小さな企業であれば東京都内や神奈川県内など、範囲は狭くなります

7.「従事させる業務の内容」
⇒外国人建設就労者が行う業務の内容を記入

8.「従事させる期間(計画期間)」
⇒外国人建設就労者の就労予定期間を記入。外国人建設就労者が複数名になる場合は、就労者全員の従事期間がこの範囲内に収まるように記入します

「外国人建設就労者建設現場入場届出書」に記載する項目は以上です。
最後に、補足情報として外国人が建設就労者として在留できる期間をご紹介します。

1.実習終了後引き続き在留する場合→2年間
2.再入国の場合
①帰国後1年以内の再入国→2年間
②帰国後1年以上経過後再入国→3年間

上記の期間を超えて雇用することはできませんので注意しましょう。

海外から送り出されてきた技能実習生や外国人建設就労者を安全に適切に管理することは国の信用に関わることです。外国人建設就労者からの信頼を得てお互いに良い関係を築くためには、外国人建設就労者に関する適正監理認定を受け、外国人建設就労者建設現場入場届出書を作成する必要があります。

国際化が進む今日、諸外国と良い関係を築くためにも、観光で訪れる外国人だけでなく日本に働きに来る外国人労働者とも真摯に接していきましょう。

◎そのほかの労務安全書類(グリーンファイル)作成方法はこちら
ケンセツプラスの「安全書類の書き方」シリーズ

 

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